今回は、英語版のパーパスを作成するにあたって重要な点をいくつか紹介します。またその際、英語化に協力できるパートナー企業を探す場合に、パートナーに何を求めるべきかのポイントについてもお話しします。
英語版パーパスは日本語版の翻訳にあらず
SMOでは、パーパス・ステートメントを英語で表現することは、単なる翻訳ではないと考えています。翻訳から一歩踏み込んで、創造する、つまりトランス・クリエーションのレベルと言えましょう。
SMOでは、パーパスを別の言語で開発するプロセスをローカライゼーションと呼んでいます。つまり、特定の相手に向けて、パーパスを彼ら向けの言語で表現するのです。元の意味と意図を維持しながら、ターゲットとなるオーディエンスに関連性と共鳴性を持たせることが重要です。
つまり、パートナーに求めるべきポイントとして、彼らのアプローチに、トランス・クリエーション、そして、ローカライゼーションといったことを意識されているのかどうかが重要です。
メソッドはしっかりあるか?
パーパスをローカライゼーションする際のパートナー探しの際には、そのメソッドをきちんと説明してもらうとい良いでしょう。
SMOでは、まずメソッドがある上で、そこからクライアントごとにその社にあったアプローチを採用しています。私たちのメソッドとして、つねに2つの相反するタイプの英文案を提案します。たとえば、「シンプルな表現」のものと「説明的な表現」のもの。または、「原文に忠実な表現」なものと「自然な英語表現」のもの。それぞれ異なるさまざまな表現方法での案を出して検討していく過程で、どこに重点を置くべきかを決めていき、英語版制作の指針になります。
英文パーパスがどこでどう使われるのか?
英語にしたパーパスは、どこで誰が使っていくのでしょうか?日本語を理解しない従業員の拠り所となるパーパスなのであれば、彼らは皆英語ネイティブなのか、多くは英語ネイティブでない外国人なのか、それにより、響く言葉選びが変わってくるでしょう。また、パートナー企業に英文化してもらう際にも、英文パーパスを誰がどのように使っていくのか、また社内カルチャーなど、パートナーがしっかり理解していないと、その会社に合った英語の言葉を的確に表現するのが難しいでしょう。
SMOでは多くのケースで、日本語でのパーパス策定から、その英文化までを、まとめてお手伝いしており、長い時間をかけてクライアントと伴走していくため、スムーズに英文化まで進めることができます。
英文のトーン&マナー
ローカライズのプロセスでは、ブランドに沿ったステートメントを表現する必要があります。トーン&マナー、そしてボイスは、そのブランドに合ったものでなければなりません。そのため、ブランドのトーン、マナー、ボイスを詳細に記載したブランドガイドラインがあると良いでしょう。そのようなガイドラインがない場合は、代表的な英語資料など、パートナーがローカライズするにあたって理解しやすくなるものを提供することが有効です。
以上、パーパスの英文化にあたってのポイントとして、パートナー探しのマインドセット、方法、トーン&マナーについて説明しました。英語版パーパスを作成する際の参考になれば幸いです。