パーパス・ブランディングとは、ビジネスのあらゆる意思決定の指針として、パーパスを用いることである。この記事では、パーパス・ブランディングの一部としてのマーケティングやコミュニケーションの在り方に注目して、それらをいかにパーパスドリブンに行うのか、詳しく見てみよう。また、ホールフーズ・マーケットの事例をもとに、主要なコミュニケーション戦略(直接的および間接的)の2つについて説明する。
パーパスドリブン・マーケティングコミュニケーションには、2つのタイプがある。
①直接的:ブランドのパーパスをすべてのメッセージングの前面に配置し、直接伝える。パーパスが見た人に明確であるアプローチ。
②間接的:パーパスを明示せず、コミュニケーションの中に織り込み、見た人がブランドの背後にあるパーパスを感覚的に感じとり、理解できるようなアプローチ。
どちらを選ぶかは、メディア、文脈、場合によって異なる。
①のタイプ例 ホールフーズ・マーケットのCSR活動の発表
パーパスを直接伝える例として、米国のオーガニック系スーパーマーケット大手、ホールフーズ・マーケットが新しいCSRの取り組みとして、ホールフーズ・マーケット財団を発表したケースで考えてみよう。
非営利団体である当財団は「nourishing both people and the planet(人と地球の両方に栄養を与える)」ことに注力し、貧困の緩和、子どもたちの健康増進、地域社会における栄養価の高い食品へのアクセスの向上という3つの分野に焦点を当てている。
Eメールでの発表では、まずこのCSR活動について、社のパーパスと関連づけていることを説明している。
人と地球に栄養を与えるという私たちの崇高なパーパスの実現にむけて、私たちはホールフーズ・マーケット財団を発表できることを嬉しく思います。
そして、財団の下での以下のような具体的な取り組みを挙げている。
貧困にあえぐ人々を支援するWhole Planet
子供たちの健康とウェルネスを向上させる教育プログラムに重点を置くWhole Kids
健康的で公平な地域フードシステムの開発を支援するWhole Cities
パーパスドリブン企業にとって重要なこと
直接的コミュニケーションと間接的コミュニケーションという2つのタイプのパーパスドリブン・コミュニケーションに関して、どちらであっても、パーパスを基としているため、ブランディング視点でもブレがないマーケティングコミュニケーションとなる。それこそが、ステークホルダーとブランドとのより強い関係、ポジティブな関係を築くことができるものである。